記事概要

前3回に渡り、歯科コンサルティングの現場に携わる渕上さんに、コラムをまとめていただきました。今回は、三つ折のパンフレットや紹介カードのデザインや配布方法についての具体策についてコラムにまとめていただきました。

特別コラム:歯科医院のパンフやカードの作り方(シリーズ:歯科コンサルティングの現場から Vol.4)  

渕上裕司氏

株式会社メディプラス代表取締役 一般社団法人日本食育ネットワーク専務理事。大手コンサルティング会社で医療機関や上場企業を担当し15年勤務。その後、WEBで歯科医院の経営学校を設立。歯科医院の事務長養成講座、事務長の代行、コンサルティング業務を通して、成功歯科医院を数々と創出。現在も医療法人数軒の現役事務長。
URL:http://www.f-house1.com 

 

 

 

前回「たかが看板されど看板」というお話しをさせて頂きました。

続いて医院案内など医院の印刷物の活用について考えてみましょう。

私は、数多くの広報物を製作プロデュースする機会を通して「内容よりデザイン、デザインよりタイミング」と考えるようになりました。

もちろん内容まで含めて100点の医院案内を作ることを目指しますが、正直、時間と予算が限られた歯科医院経営の中ではそれは難しいことです。

特に先生方の内容のこだわりを実現するために、症例写真を集めたりしていると非常に時間も手間もかかるものです。

私は、年間、数億円をかける不動産業界の広告を担当していたことがありますが、やはり広告による「集客命」の業界は、そこにかけるエネルギーは凄まじいものがあります。

歯科医院における医院案内の類の三つ折りパンフレットと紹介カード(名刺サイズ)であれば、必要と思える時に70点のできものを素早く製作するくらいの感覚が良いでしょう。

製作物は、まず、女性が手に取って持って帰りたいと思えるかどうかの外観が大切です。

どうみても形式に当て嵌めただけの古臭い医療機関のパンフレットは、手に取ろうと思いません。持って帰れと言われても困ってしまいます。もしも、「古臭くてデザイン性もないもの」を、もらったとして、それを知人に見せたいと思うでしょうか?人に見せたくない、渡したいと思わないものであれば効果がないはずです。

紹介カードも然りです。

カード類に溢れる財布の中には、一時的にしても「かっこ悪い」ものを入れておきたいと思わないでしょう。

表は素敵なレストランやブランド店のように、裏面はしっかり大切な情報と割り切ってデザインに拘るべきだと思います。

医院のカウンターにおいて、インテリアとしてマイナスイメージになるようなパンフレットや紹介カードでは、スタッフも「積極的に渡そう」とは思わないものです。女性目線でデザインに拘ることは優先度が高いことです。

そしてタイミングですが、これは診療フローの中に、どこでどういうツールを使うかを決めておく必要があります。カウンターに置いておけば持って行ってくれるような簡単ことではありません。

医院案内は初診カウンセリングの必須アイテムに組み込んでしまいます。

たとえば、診療時間や予約についいての説明、治療の流れ、院長先生のプロフィールなどをパンフレットに入れておけば、そこを開きながら説明することができます。「こちらにありますように・・・・」と説明して、最後にお渡します。
これで、初診の方全員に医院案内が行き渡ります。

紹介カードは、終了カウンセリングの時に必ずお渡しするルールにすると良いでしょう。

前々回でご紹介したように、患者さんの一番満足度が高まったタイミングで、自信を持って紹介依頼をしてみてください。きっと、これまで違った反応が返ってくるはずです。