記事概要

日本とアメリカでは保険システムが異なります。
アメリカには、日本にあるような国民皆保険制度はありません。
メディアなどでちらほら報じられる情報を断片的に見聞きすると、なんとなくアメリカでうける歯科治療は高額な治療費がかかるようなイメージが持たれています。しかし実際は、多少ニュアンスが異なるようです。そのあたりを踏まえて、日本人をターゲットにしたアメリカでの歯科医院の集患方法とその効果についてブラノンクロッシングファミリーデンタル様にお聞きしました。

米国で日本人向けに開業している歯科医院

今回は、遠路はるばる、アメリカからご注文いただいたお客様(歯科医師)に、当社で作成した販促ツールの反響についてお伺いしたので、そのレポートをしたいと思います。

ブラノンクロッシングファミリーデンタル様は、アメリカケンタッキー州に2013年に開院した歯科医院様です。

地元密着の歯科医院として開業されたそうですが、現在では地元の患者様のみでなく、近隣の州からも日本人が通院されるまでになりました。

在米日本人の方は、普段の日常会話は不自由なくても、アメリカの歯科医院に通うのはとても障壁が高いのだそうです。歯科治療や歯科保険に関する専門用語・仕組みなどは日本とは大きく異なるため、理解しずらいのです。

そんな中、ブラノンクロッシングファミリーデンタル様の場合は、受付から治療まですべてを日本語でやりとり出来る事ため、在米日本人の患者様には大いに喜ばれています。 しかし、そんなブラノンクロッシングファミリーデンタル様でも、開業されたばかりの時にはこんな悩みがありました。

治療や事務処理は日本語でできても、販売・マーケティングに関しては素人なので、集患の方法が簡単には思いつかないのです。 アメリカの国土は広大で、日本のように主要な駅に広告や看板をだせば目立つ!という事はないのです。ここは広いアメリカ。交通手段は車がメインで、歩いている人はほとんどいません。

そこで、できるだけ低コストで、より多くの日本人の方に医院の事を知っていただける方法はないかと思案し、パンフレット作って日系の店舗に置かせていただく取り組みをはじめました。

日本人にうけるパンフレットを作るために

ただ『簡単にパンフレットを作る』といっても、当時はこんな問題がありました。

アメリカのレストランのメニューなどをご覧になった方はご存知だと思いますが、アメリカのメニュー表には日本のように写真がありません。それと同様に、アメリカでは挿絵や写真が少なめで、本文の文字の多いパンフレットが好まれるのです。 しかし、そんなアメリカのお土地柄ではありますが、ターゲットとするのは日本人の患者様なので、やはり日本人向けのパンフレットはカラフルで誰にでも手に取ってわかりやすいものをと思い当社にご依頼いただきました。

ブラノンクロッシングファミリーデンタル様のパンフレットは、日本でもオーソドックスな形である、A4サイズを3つに折ったパンフレットを作成いたしました。

一般歯科治療と矯正歯科治療のパンフレットを2種類作成させていただき、サイズもアメリカサイズではなく日本サイズ。デザインや構成も、日本人向けに作ったので、全くアメリカ人を意識すること無く進行いたしました。

結果、パンフレットは好評で、(日本語がわからなくても)漢字の意味が通じる中国や韓国などのアジアの方々にも手に取っていただけ、医院の事を知っていただけるようになりました。 とても嬉しい限りです。

その後、ウェブサイトも作成させていただきましたが、こちらもアメリカ人を意識することなく日本人向けに構成しました。ウェブ予約や問診票をダウンロードできるようなっていて、予約・受付手続き時間の短縮にもなったそうです。

日本人向けの販促品

さらに、ブラノンクロッシングファミリーデンタル様は、オリジナルのクリアファイルやポケットティッシュもお作りになりました。

これらは、アメリカではあまり馴染みのない販促品なのだそうです。 これらは、現地の方はもちろんのこと、日本に滞在された経験のある方にもとても好評だとか。日本では、多少見飽きた販促ツールも、在米日本人には懐かしさもあり効果的だったかも知れません。

アメリカの保険制度を説明する小冊子

特に、日本とはちょっと異なるツールの作成だったのが、“アメリカの歯科保険制度について”とういう小冊子の作成です。

アメリカに赴任してきたばかりの日本人にとっては、アメリカの歯科保険制度は馴染みがないため、インターネットでの情報をもとにアメリカの歯科=高額と思われている方が多いのだそうです。

しかし、良い意味で日本とは異なり、予防歯科などは100%保険でカバーされる保険がほとんどで、自己負担なくクリーニングや検診が受けられるなどメリットがあったりします。 さらに、日本では自己負担になってしまうセラミックのクラウン治療も50%または100%カバーされる保険のプランの方もいるのだそうです。

自分の保険プランが何で、どの治療をすると高額で、どの治療はアメリカで治療すると日本よりも得かという事をご理解してもらうためには、この小冊子が必要でした。かなりページ数の多い小冊子でしたが、先生が全ての原稿を用意してくださったので、当社ではイラストなどを盛り込みながら、見やすい小冊子にするようにデザイン・レイアウトさせていただきました。

先生は、『日本でも保険制度のあらゆる制限に縛られることなく、患者様が自由に治療方法(最新の技術や良質の素材を使用するなど)を選べて、通院回数も短縮できる自由診療をと考える方々向けに小冊子は効果的ではないか?』とおっしゃっていました。まさしく有効だと思いました。