記事概要

前回、『新患が減った』と感じた時に(シリーズ:歯科コンサルティングの現場から Vol.1)について、歯科コンサルティングの現場に携わる渕上さんに、現在の新患の現状はどうなっているのか?そして、もし『新患が減った』と感じた時に、何とすれば良いのかについてのコラムを頂戴いたしました。シリーズとなっていますので、まずは、こちらのVOL.1を先に御覧ください。シリーズ第二弾は、新患を増やす対策「紹介」について、引き続きコラムを書いていただきましたので、御覧ください。

特別コラム:新患を増やす対策「紹介」(シリーズ:歯科コンサルティングの現場から Vol.2)  

渕上裕司氏

株式会社メディプラス代表取締役 一般社団法人日本食育ネットワーク専務理事。大手コンサルティング会社で医療機関や上場企業を担当し15年勤務。その後、WEBで歯科医院の経営学校を設立。歯科医院の事務長養成講座、事務長の代行、コンサルティング業務を通して、成功歯科医院を数々と創出。現在も医療法人数軒の現役事務長。
URL:http://www.f-house1.com 

 

 

 

こんにちは、歯科医院専門の経営コンサルティング、事務長代行を行っている株式会社メディプラスの渕上でございます。

前回、新患が減っているかどうかを、細分化してどういうルートの患者さんに変化があるのかを特定することが重要というお話しをしました。(記事はこちら)

新患の来院ルートを把握していく中で、もしも、ドクター1人あたりの紹介患者数が10人を切るようであれば、対策を講じる必要があると考えたほうが良いでしょう。
その際は、紹介を貰えるような体制になっていない可能性があるかもしれないと考えるべきです。

一人前のドクターと呼ばれるには、月20人の紹介患者をもらうことと、言われています。

ご存知の通り「紹介患者」は、いつの時代も、どの診療所でも王道です。
しかし、意図的に増やそうという取組みができていないところが多いのです。

技術と対応を磨き、医院全体で患者満足度を上げていくことはもちろんのことですが、紹介がうまれない原因の一つに「紹介して下さい」とこちらの意思を伝えていないことがあります。

紹介を頂くためには「満足度が高いこと」が必須条件になりますが、満足度が高からと言って紹介が多いとは限りません。
実は、誰かを紹介をしてくれる患者さんと、してくれない患者さんでは、その治療の満足度以外に、その方の「属性」が大きく影響しています。

人脈が広く、情報を発信することが得意な方でなければ、いくら満足度を上げても紹介は出こないものなのです。

よく、患者さんを紹介してくれる患者さんの属性として目立つのは、

「交友関係が広い人」

「様々なコミュニティで活動している人」

「時間がある人」

「おせっかいの傾向の強い人」

・・・などなど。

1人で10人程も紹介してくる患者さんもいらっしゃれば、反面、治療満足度が高いはずなのにまったく紹介してくれない方もいらっしゃいます。

これらのことから、こういうことが言えるのです。

『人に話さずにはいられないという特性のある方に、しっかりと紹介の依頼をすることが成果を出すために早道』ということです。

なかなか、紹介しづらい方に、いくらアプローチしても、残念ながら紹介は生まれにくいと思います。

また、紹介を促すタイミングは、その患者さんの一番満足度が高い時!がセオリーです。

治療終了時には終了カウンセリングをルールにして、しっかりと紹介を促すアプローチを入れるのも効果的です。

そこで、先生自ら、これまでの治療を振り返り、患者さんが頑張って治療に積極的に参加してくれたことを讃え、「○○さんのお口がこんなに健康で綺麗になったら、周りの方のお口が気になりませんか?」と聞いてあげましょう。

そして「おかげ様で当院は多くの方が紹介でいらっしゃいます」と明記した紹介カードは渡しましょう。